「肉球を守るために犬用の靴を買ってみたけれど、履かせた瞬間に固まってしまった」
「歩こうとせず、足を気にしている」
「靴を噛んだり、脱ごうとしたりしてしまう」
犬に初めて靴を履かせると、こんな反応をすることは珍しくありません。
人間にとっては靴を履くのが当たり前でも、犬にとっては足先に突然何かが装着されるので、違和感があって当然です。
実際、犬用靴に慣れるまでには時間がかかることがあり、まず室内で短時間から練習することがすすめられています。
だからといって、「うちの犬は靴が嫌いだから無理」とすぐに諦める必要もありません。
大切なのは、最初から4本すべてに靴を履かせて歩かせようとしないこと。
この記事では、犬用靴を買ったあとに困りやすい「嫌がる」「歩かない」「噛む」といった場面を中心に、愛犬のペースで靴に慣らしていく方法を紹介します。
犬が靴を履くと歩かなくなるのは珍しくない

初めて靴を履かせたとき、
・その場で固まる
・足を高く上げて歩く
・変な歩き方になる
・座り込む
・靴を噛もうとする
こんな反応が見られることがあります。
初めて見ると「こんなに嫌がるなら、靴は無理なのかな」と心配になりますよね。
でも、これは靴そのものを嫌っているとは限りません。
犬は普段、肉球や足先を使って地面の感触を感じながら歩いています。
そこに靴が加わることで、いつもとは違う感覚になります。
犬によっては、いわゆる「ブーツ・パラリシス」のように、靴を履いた途端に動かなくなることもあります。
ここで大切なのは、最初から「靴を履いたまま歩けるようにしよう」と頑張りすぎないこと。
初日は数秒履けただけでも十分です。
嫌がらずにいられたところで外して、「今日はここまで」にしてしまって大丈夫。少し物足りないくらいで終わるほうが、次の練習を始めるときにもスムーズです。
まずは「靴を履いても大丈夫」と思ってもらうところから始めていきましょう。
犬用靴そのものの必要性や、どんな場面で使うとよいのかについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→「犬用靴は必要?メリット・気になるポイントと失敗しない選び方」

まず確認したいのは「靴が嫌」なのか「靴が合っていない」のか

犬が靴を嫌がると、つい「まだ慣れていないだけ」と考えてしまいます。
でも、何度試しても嫌がる場合は、靴そのものではなくサイズや形が合っていない可能性もあります。
愛犬の様子を少し観察してみましょう。
履かせた瞬間から嫌がる
靴を足に近づけただけで逃げたり、足を触られること自体を嫌がったりするなら、まずは「靴に慣れる練習」から始めます。
この場合は、いきなり履かせる必要はありません。
靴を見せるだけ
匂いを嗅がせるだけ
それができたら褒める
最初はそれくらいで十分です。
片方の足だけ気にする
4本のうち特定の足だけを気にする場合は、靴のサイズや履かせ方を一度確認してみましょう。
きつすぎたり、逆に大きすぎたりすると、歩きにくさやズレにつながることがあります。
犬用靴は「とりあえず犬の体重に合うサイズ」ではなく、商品ごとの足長・足幅などのサイズ表を確認して選ぶことが大切です。
靴を履くと歩くけれど、すぐに嫌がる
この場合は、靴の違和感にまだ慣れていない可能性があります。
最初から何分も歩かせるのではなく、数歩歩けたところで終わりにするくらいでも構いません。
「今日はここまでできた」で終わらせると、次の練習につなげやすくなります。
散歩に出た途端に嫌がる
室内では歩けていたのに、外に出ると嫌がることもあります。
家の床と道路では、足裏に伝わる感触が違います。
室内で靴に慣れたからといって、いきなり長い散歩に行く必要はありません。
まずは玄関先や家の周りなど、短い時間から試してみましょう。
犬が靴を嫌がるときの慣らし方
ここからが、実際の練習です。
ポイントは、「嫌がるまで頑張る」のではなく、「嫌がる前に終わる」こと。
犬用靴に慣らすときは、靴を見せるところから始め、1足ずつ、短時間から徐々に進めていく方法がすすめられています。

STEP1|まずは靴を見せるだけ
いきなり足に履かせず、まずは靴を床に置いてみます。
犬が近づいて匂いを嗅いだら、それだけでも十分です。
「靴を嗅いだらおやつ」
「靴を見ても逃げなかったら褒める」
というように、靴と良いことを結びつけていきます。
ここで無理に靴を足に当てる必要はありません。
「今日は匂いを嗅げたから終わり」でもOKです。
STEP2|靴を足に当ててみる
靴に少し慣れてきたら、今度は足先に靴を軽く当ててみます。
履かせる必要はありません。
足に触れる
↓
嫌がらなかったら褒める
↓
靴を離す
これを繰り返します。
犬が足を引っ込めたり、嫌がる様子があれば、無理に続けず一度やめましょう。
STEP3|まずは1足だけ履かせる
いよいよ履かせます。
ただし、最初から4本全部ではなく、1足だけがおすすめです。
履かせたら、ほんの数秒で外しても構いません。
「履けた!」
と思ったところで褒めて、おやつをあげて終わり。
最初は「靴を履いて歩く」ことまで求めなくても大丈夫です。
犬が落ち着いていられる時間を少しずつ伸ばしていきます。
STEP4|1足履いた状態で室内を少し歩く
1足を履いても大きく嫌がらなくなったら、室内で数歩歩いてみます。
おやつや好きなおもちゃを使って、自然に歩けるように誘ってもよいでしょう。
ここで重要なのは、歩かせ続けないこと。
数歩歩けたら、褒めて終了しても十分です。
犬が嫌がる前に終えることで、「靴を履くと嫌なことが長く続く」という印象を作りにくくなります。
STEP5|2足、3足と少しずつ増やす
1足で落ち着いて歩けるようになったら、2足に増やします。
その後、3足、4足と少しずつ増やしていきます。
「4本履かせるのに時間がかかるから、一気に履かせてしまおう」と思うかもしれません。
でも、犬にとっては1足増えるだけでも感覚が変わります。
焦らなくて大丈夫です。
犬が嫌がったら、一つ前の段階に戻りましょう。
STEP6|4足で室内を歩いてみる
4足すべてを履いても落ち着いていられるようになったら、室内で歩く時間を少しずつ延ばします。
この段階では、
・普通に歩けているか
・靴がズレていないか
・脱げそうになっていないか
・靴をしきりに噛んでいないか
を確認します。
靴を履いた状態では、犬の歩き方や足への力のかかり方が変化する可能性もあるため、まずは短時間の練習から始めるのが安心です。研究でも、犬用ブーツを装着した犬では、足への力のかかり方などに変化が確認されています。
STEP7|外では短時間から
室内で問題なく歩けるようになったら、ようやく外で試します。
最初からいつもの散歩コースを一周する必要はありません。
・玄関先まで
・家の前を少しだけ
それで十分です
外では道路の硬さや砂利など、室内とは違う感触があります。
犬が落ち着いて歩けたら、少しずつ時間を延ばしていきましょう。
うまくいかないときは、一つ前に戻ってOK

犬の靴の練習で意外と大切なのが、「戻っていい」と考えることです。
たとえば、
4足履けた
↓
外に出たら嫌がった
という場合。
「せっかく4足履けたのに」と思って、そのまま頑張らせる必要はありません。
もう一度、室内で練習してもいいのです。
4足 → 2足 → 1足 → 靴を見るだけ
というように、愛犬が落ち着いていられるところまで戻ります。
犬によって慣れる早さはかなり違います。
数回で慣れる犬もいれば、もっと時間が必要な犬もいます。
「昨日できたのに今日は嫌がる」という日があっても、それだけで失敗ではありません。
今日は1足、明日は2足。
そんな進め方でも大丈夫です。
犬が靴を噛む・脱ごうとするときは?

靴を履かせると、足元が気になって噛もうとする犬もいます。
このとき、すぐに「ダメ!」と叱り続けるより、まずはなぜ噛もうとしているのかを確認してみましょう。
単純に靴が気になっているだけなら、履いている時間を短くして、褒めたりおやつを使ったりしながら別のことに意識を向ける方法があります。
一方で、
・特定の足だけ噛む
・靴を履かせると何度も足を気にする
・歩き方がおかしい
・皮膚が赤くなっている
・靴がずれている
といった様子があるなら、「慣れるまで我慢」と考えないほうがよいでしょう。
靴を外して、サイズや履かせ方を確認してください。
靴を履くと変な歩き方になるのは大丈夫?
初めて靴を履いた犬が、最初からいつも通り歩けないのはそれほど不思議ではありません。
足先の感覚が変わるため、足を高く上げたり、ぎこちなく歩いたりすることがあります。
ただし、「慣れていないだけ」と決めつけるのは禁物です。
短時間の練習でもずっと歩きにくそうにしているなら、靴のサイズや形が合っているか確認しましょう。
特に、歩くたびに靴がずれる、片方だけ脱げる、足をしきりに気にする場合は、一度立ち止まって見直してみてください。
犬用靴は、履けることよりも、愛犬が無理なく歩けることのほうが大切です。
散歩で使う前にチェックしたいこと
外で使う前には、次の項目を確認しておきましょう。

□ 室内で歩ける
まずは室内で普通に歩けること。
いきなり外で練習するより、落ち着いた環境で確認したほうが犬の様子を見やすくなります。
□ 靴がズレていない
歩いているうちに靴が回ったり、脱げかけたりしていないか確認します。
オンラインで購入した場合は、まず室内で試してみると、サイズが合っているか確認しやすくなります。
□ 足を気にしすぎていない
少し気にする程度なら様子を見てもよいですが、ずっと噛もうとしたり、足を何度も舐めたりする場合は、一度外して確認しましょう。
□ 長時間履かせっぱなしにしない
初めてのときは、短い時間から。
「慣れさせたいから長く履かせる」よりも、短時間で気持ちよく終わる練習を積み重ねるほうが取り組みやすいでしょう。
どうしても靴を嫌がる子もいる

ここまで読んで、
「何度やっても嫌がるんだけど……」
という場合もあると思います。
それなら、無理に靴を好きにさせなくても構いません。
犬にもそれぞれ性格があります。
足先を触られることが苦手な犬もいますし、靴を履いたときの感覚がどうしても苦手な犬もいます。
犬用靴は便利な道具ですが、すべての子に絶対必要なものではありません。
たとえば夏の暑い時間帯なら、散歩の時間を朝夕に変えることもできます。
雨の日なら、散歩後に足をきれいに拭く方法もあります。
「靴を履かせなければ肉球を守れない」と考えすぎず、その犬に合った方法を探してあげることも大切です。
ただし、怪我の保護などで靴を使う必要がある場合は、自己判断で無理に履かせ続けず、かかりつけの動物病院に相談しましょう。
犬用靴を選び直すなら「慣らしやすさ」も考えて
どうしても嫌がる場合、練習方法だけでなく、靴そのものを見直すのも一つの方法です。
犬用靴には、
・履き口が大きく開くタイプ
・柔らかい素材のタイプ
・軽量タイプ
・マジックテープなどで固定するタイプ
・防水を重視したタイプ
・靴底のグリップを重視したタイプ
など、さまざまな商品があります。
愛犬がどこで困っているのかによって、選び直すポイントも変わります。
たとえば、
「靴を履かせること自体が大変」なら、履かせやすさを重視。
「歩くと靴がズレてしまう」なら、サイズや固定方法を見直す。
「雨の日だけ使いたい」なら、普段使いの靴とは別に防水タイプを検討する。
というように、「犬が悪い」と考えるのではなく、「今の靴が合っているかな?」と考えてみると、解決策が見つかることがあります。
まとめ|犬のペースで少しずつ慣らせば大丈夫
初めて犬に靴を履かせたとき、固まったり、変な歩き方をしたり、脱ごうとしたりするのは珍しいことではありません。
だからこそ、最初から「4本履かせて散歩に行く」必要はありません。
まずは靴を見る。
匂いを嗅ぐ。
足に当ててみる。
1足だけ履く。
室内で数歩歩く。
そして、少しずつ本数と時間を増やしていきます。
もし途中で嫌がったら、一つ前の段階に戻って大丈夫です。
犬用靴に慣れるまでの早さは、犬によって違います。
「今日は1足履けた」
「昨日より少し長く歩けた」
そんな小さな変化を積み重ねていけば十分。
愛犬が安心して歩けることを一番に考えながら、焦らず練習していきましょう。
【他にもよくあるお悩み・・・】






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