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「うちの子もそろそろシニアなのかな?」
愛犬が7歳、8歳、10歳と年齢を重ねてくると、そんなことを考える飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実際、犬は人よりも早いペースで年齢を重ねるため、若い頃には気にならなかった変化が少しずつ見られるようになります。
寝ている時間が増えたり、散歩のペースがゆっくりになったり、以前は簡単に上っていた段差を嫌がったり。
こうした変化を見ると、
「これって年齢のせい?」
「もうシニア犬なの?」
「病院に行った方がいいのかな?」
と迷ってしまいますよね。
ただ、犬のシニア期には「○歳になったら必ずシニア」という明確な線引きがあるわけではありません。
ここでは、犬のシニア期を考えるときの年齢の目安から、日常生活で気づきやすい老化のサイン、病気との見分け方、シニア期を迎える前にできることまでまとめました。
「うちの子もそろそろかな」と感じ始めた方は、愛犬の現在の様子と照らし合わせながら読んでみてください。
犬のシニア期は何歳から?

まず気になるのが、「何歳からシニア犬なのか」ということですよね。
一般的には7歳前後から高齢期を意識することが多く、環境省の資料でも犬は7歳前後から高齢期と言われています。
ただし、これはあくまで目安です。
犬は犬種や体格によって成長や老化のスピードが異なるため、すべての犬を同じ年齢で区切ることはできません。
環境省の資料でも、小型・中型犬と大型犬ではライフステージの区切りに違いがあり、中高齢期は小型・中型犬では8~10歳、大型犬では6~7歳以降とされています。
そのため、「7歳になったから今日からシニア」というより、
「7歳頃からシニア期を意識し始め、年齢とともに愛犬の変化を見ていく」
くらいに考えると分かりやすいでしょう。
小型犬・中型犬・大型犬で目安は変わる?

大まかな目安として考えるなら、以下のようになります。
| 犬のサイズ | シニア期を意識し始める目安 |
|---|---|
| 小型犬 | 7~8歳頃から |
| 中型犬 | 7歳前後から |
| 大型犬 | 5~7歳頃から |
ただし、これは「この年齢になったら老犬」という意味ではありません。
大型犬は比較的早い時期から高齢期を意識する一方、同じ年齢でも元気に活発に過ごしている犬もいます。
反対に、年齢がそれほど高くなくても、足腰や視力などに変化が出る犬もいます。
年齢はひとつの目安として、愛犬自身の変化を見ることが大切です。
犬の年齢を人間の年齢に換算するより大切なこと
「犬の7歳は人間でいうと何歳?」
という年齢換算も気になりますよね。
犬は人より早く年齢を重ねるため、人間の年齢に置き換えることで「愛犬がどのくらいの年代なのか」をイメージすることはできます。
ただし、犬の年齢を単純に「1年=人間の7年」と考えることはできません。
犬のサイズなどによっても年齢の進み方には違いがあります。環境省の資料でも、小・中型犬と大型犬で人間年齢への換算表が分けられています。
そのため、「人間でいうと○歳だから、もうかなり老化しているはず」と考えるよりも、
「以前と比べて何か変わったところはないかな?」と愛犬自身を見ることの方が大切です。
シニア犬になるとどんな変化が出る?

犬は年齢を重ねると、体だけでなく生活習慣や行動にも少しずつ変化が出ることがあります。
ただし、すべての犬に同じ変化が起こるわけではありません。
「年を取ったら必ずこうなる」というものではなく、愛犬の変化を知るための参考として見てください。
寝ている時間が増える
若い頃よりも、寝ている時間が長くなったと感じることがあります。
1日の半分以上を寝て過ごすことも珍しくありません。
以前は家族が動くとすぐについてきたのに、最近はそのまま寝ている。
散歩から帰ってきた後、以前より長く休んでいる。
そんな小さな変化から気づくこともあります。
年齢を重ねると活動量が少なくなり、休む時間が増えることがあります。
ただし、急に元気がなくなった、食欲もない、呼びかけへの反応が明らかに鈍いなどの変化がある場合は、「年齢のせい」と決めつけないことが大切です。
散歩のペースがゆっくりになる
シニア期になると、以前より歩くスピードが落ちたり、長い距離を歩きたがらなくなったりすることがあります。
散歩中に立ち止まる回数が増えることもあります。
「前は30分歩いても平気だったのに、最近は途中で休みたがる」
という場合は、愛犬の体力に合わせて散歩の距離やペースを見直すタイミングかもしれません。
ただし、散歩を嫌がるようになった、歩き始めから痛そう、足をかばうなどの変化は、単なる加齢とは限りません。
足腰の痛みなどが隠れている可能性もあるため、気になる場合は動物病院で相談しましょう。
段差や階段を嫌がるようになる
以前は何の問題もなく上っていた階段や、ソファへの上り下りを嫌がるようになることがあります。
ジャンプをしなくなったり、車への乗り降りをためらったりすることもあります。
こうした変化が出てきたら、「年だから仕方ない」と済ませるのではなく、
愛犬が無理をせずに生活できる環境に変えていくことを考えてみましょう。
床を滑りにくくしたり、段差を減らしたりするだけでも、生活しやすくなることがあります。
視力や聴力の変化
年齢を重ねると、視力や聴力などの感覚にも変化が出ることがあります。
例えば、
・暗い場所で歩きにくそうにする
・物にぶつかることが増える
・呼びかけへの反応が遅くなる
・後ろから近づくと驚く
・大きな音への反応が変わる
などです。
視力や聴力が少しずつ変化すると、愛犬自身が不安を感じることもあります。
急に触るのではなく、近づく前に声をかけるなど、愛犬が安心できる接し方を意識してみましょう。
食べ方が変わる
年齢とともに、食事の様子が変わることもあります。
例えば、
・食べるスピードが遅くなった
・食べこぼしが増えた
・硬いものを食べにくそうにする
・食事中に休むようになった
・食べる量が以前と違う
などです。
これは、消化機能の変化やホルモンバランスが関係しています。
ただし、食欲の変化をすべて「シニアだから」と考えるのはおすすめしません。
特に急に食べなくなった、食べたそうなのに食べられない、体重が減ってきたといった変化がある場合は、体調の確認が必要です。
水を飲む量が変わる
飲水量の変化も、日頃から見ておきたいポイントです。
「最近よく水を飲むようになった」
「反対に、あまり水を飲まなくなった」
という変化があれば、いつから変わったのかを確認しておきましょう。
水を飲む量は気温や食事内容などでも変わるため、一時的な変化だけで判断する必要はありません。
ただ、明らかな変化が続いている場合は、年齢のせいだと決めつけず獣医師に相談することをおすすめします。
トイレの変化
シニア期には排泄の様子が変わる犬もいます。
例えば、
・トイレまで行くのに時間がかかる
・トイレを失敗することが増えた
・夜間に排泄するようになった
・排泄の回数や量が変わった
などです。
足腰の問題でトイレまで間に合わない場合もあれば、別の体調変化が関係している場合もあります。
特に、それまで問題なくできていた排泄が急に変わった場合は、老化だけとは考えず、一度相談してみましょう。
性格が変わったように感じることも

シニア期になると、「なんだか前と性格が違う気がする」と感じる飼い主さんもいます。
以前より甘えん坊になったり、反対に一人で静かに過ごす時間が増えたり。
触られるのを嫌がるようになる犬もいれば、飼い主のそばを離れたがらなくなる犬もいます。
こうした変化には、加齢だけでなく、視力や聴力の変化、痛み、不安、認知機能の変化などが関係している場合もあります。
「性格が悪くなった」と考えるのではなく、
「愛犬に何か変化が起きているのかもしれない」
と考えて、様子を見てあげることが大切です。
特に注意したい変化
例えば、
・急に食欲がなくなった
・急に水をたくさん飲むようになった
・急に歩きたがらなくなった
・足を引きずる
・触ると痛がる
・急にトイレを失敗するようになった
・呼吸の様子がおかしい
・急に元気がなくなった
・体重が減ってきた
・以前と明らかに違う行動が続いている
などです。
「数日で急に変わったから病気」「ゆっくり変化したから老化」と単純に分けられるわけではありません。
変化の速さだけで判断しないことも大切です。

夜鳴きや徘徊も「年齢のせい」と決めつけない

シニア犬では、夜に落ち着かなくなったり、昼間によく寝て夜に起きるようになったりすることがあります。
認知機能の低下が関係するケースでは、
・昼夜逆転
・夜鳴き
・トイレの失敗
・目的のない徘徊
・家具や壁の前で立ち止まる
・以前と比べて周囲への反応が変わる
などの行動が見られることがあります。
もちろん、こうした行動があったからといって、すぐに認知症と決まるわけではありません。
痛みや不安、視力・聴力の変化など、別の原因が関係していることもあります。
「年を取ったから仕方ない」と我慢するのではなく、気になる変化があれば獣医師に相談してみましょう。
シニア犬になったら、生活をどう変える?

シニア期に入ったからといって、突然すべてをシニア犬仕様にする必要はありません。
むしろ、愛犬の変化に合わせて少しずつ変えていく方が無理がありません。
例えば、
・歩きにくくなった → 滑りにくい床にする、段差を減らす
・寝ている時間が増えた → ゆっくり休める寝床を用意する
・トイレに行くのが大変そう → トイレの場所を近くする、広さを見直す
・水を飲みに行くのが大変そう → 寝床の近くに水飲み場を1か所追加する
・食べにくそう → 食器の高さや食べやすさを見直す
といった具合です。
なので「シニアだからこれを買う」ではなく、「今困っていることを一つずつ解決する」と考えると分かりやすいでしょう。
シニア期を迎える前からできること
シニア犬になってから慌てて準備するより、元気なうちから少しずつ考えておくと安心です。
特におすすめなのが、次のような準備です。

家の中の滑りやすい場所を確認する
フローリングなどで足が滑っていないか確認してみましょう。
今は問題なく歩けていても、足腰が弱くなってくると、若い頃には気にならなかった床の滑りやすさが負担になることがあります。
体を触られることに慣れてもらう
足先や肉球、耳、口周りなどを触られることに慣れていると、年齢を重ねてケアが必要になったときにも対応しやすくなります。
嫌がる場合は無理に触らず、少しずつで大丈夫です。
定期的に愛犬の状態を確認する
毎日の生活の中で、
「昨日と比べてどうかな?」
「先月と比べて何か変わったかな?」
と見ておくだけでも十分です。
体重、食欲、飲水、排泄、散歩、睡眠など、普段の状態を知っておくと、変化にも気づきやすくなります。
健康診断について動物病院に相談する
シニア期は、健康診断についても一度かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
年齢や犬種、これまでの病歴によって必要な検査や頻度は異なります。
「何歳になったら必ずこの検査」というより、愛犬に合った健康管理の方法を獣医師と相談することが大切です。
シニア犬になったら、介護の準備も少しずつ

まだ元気なうちから介護用品をすべて揃える必要はありません。
ただ、
「もし歩けなくなったらどうする?」
「トイレが難しくなったら?」
「長時間の留守番ができなくなったら?」
と、一度考えておくだけでも違います。
実際に困ることが出てきたら、その時点で必要なものを追加していけば大丈夫です。
元気なうちにできる準備については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

シニア犬の食事も「年齢だけ」で考えない

「シニアになったらシニア用フードに変えた方がいい?」と考える方も多いと思います。
確かに年齢を重ねると、必要な栄養や食事量について考える機会は増えます。
ただし、年齢だけで食事内容を決めるのではなく、体重や活動量、健康状態などを含めて考えることが大切です。
環境省の資料でも、年齢だけを理由に急にフードを切り替えるのではなく、犬の状態を見ながら徐々に切り替えることがすすめられています。
食事について詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。

シニア犬についてよくある質問
Q.7歳になったらもう老犬ですか?
A.7歳はシニア期を意識し始める一つの目安ですが、7歳になったからといって、すぐに「老犬」と考える必要はありません。
犬のサイズや個体差によっても異なるため、年齢だけでなく愛犬の体や行動の変化も一緒に見ていきましょう。
Q.10歳ならシニア犬ですか?
A.10歳であれば、多くの犬で高齢期を意識する年齢に入っていると考えられます。
ただし、10歳でも元気に散歩を楽しんでいる犬はいます。
「10歳だから何でもシニア犬向けに変える」のではなく、現在の体力や生活に合わせて必要な部分から見直していきましょう。
Q.大型犬は小型犬より早くシニアになりますか?
A.一般的には、大型犬の方が小型犬より早い年齢から高齢期を意識する傾向があります。
環境省の資料でも、大型犬は小型・中型犬より早い年齢から中高齢期として区分されています。
ただし、犬種や個体差があるため、年齢だけで判断しないことが大切です。
Q.シニア犬は散歩を減らした方がいいですか?
A.必ずしもそうではありません。
大切なのは、愛犬の体力や体調に合わせることです。
以前より疲れやすくなった場合は、距離を短くしたり、途中で休憩したり、歩くペースをゆっくりにしたりする方法があります。
散歩を完全になくすのではなく、愛犬が無理なく楽しめる形に変えていくと考えるとよいでしょう。
Q.シニア用フードにはいつから変えればいい?
A.「○歳になったら必ず」という決まりがあるわけではありません。
愛犬の体重、活動量、健康状態などを考慮して、必要であれば獣医師に相談しながら切り替えましょう。
Q.寝ている時間が増えたら病院に行った方がいい?
A.年齢とともに睡眠時間が増えることはあります。
ただし、急に寝てばかりになった、起こしても反応が鈍い、食欲がない、散歩に行きたがらないなど、他の変化も一緒に見られる場合は、年齢のせいと決めつけず相談することをおすすめします。
シニア犬になったからといって、できないことばかりではありません

愛犬が年齢を重ねると、
「昔はもっと走っていたのに」
「若い頃はこんなことはなかったのに」
と、以前との違いに寂しさを感じることもあると思います。
でも、シニア犬になったからといって、楽しみがなくなるわけではありません。
散歩の距離が短くなっても、外の匂いを嗅いだり、ゆっくり歩いたりする時間を楽しめます。
走ることが難しくなっても、家でおもちゃを楽しめるかもしれません。
長時間遊べなくなっても、飼い主さんのそばで過ごすことが愛犬にとって心地よい時間になることもあります。
できなくなったことだけを見るのではなく、今できることを大切にする。
それが、シニア期の愛犬と暮らすうえで大切なことの一つではないでしょうか。
まとめ|シニア期は「年齢」だけでなく愛犬の変化を見よう
犬のシニア期は、7歳前後から意識することが多いものの、すべての犬が同じタイミングで老化するわけではありません。
小型犬・中型犬・大型犬でも違いがありますし、同じ犬種でも個体差があります。
だからこそ、「○歳だからシニア」と年齢だけで決めるのではなく、
・寝る時間が増えた
・散歩のペースが落ちた
・段差を嫌がる
・食べ方が変わった
・水を飲む量が変わった
・トイレの様子が変わった
・呼びかけへの反応が変わった
・性格が変わったように感じる
など、日々の小さな変化を見てあげることが大切です。
そして、「年齢のせいかな?」と思う変化の中には、病気や痛みが隠れている場合もあります。
いつもと違う状態が続くときは、老化と決めつけず動物病院に相談しましょう。
シニア期を迎えたからといって、すぐに生活を大きく変える必要はありません。
滑りやすい場所を見直す。
散歩のペースを少しゆっくりにする。
寝床を過ごしやすくする。
食事の様子を確認する。
そんな小さな変化から始めれば十分です。
シニア期の準備は、老後を心配するためだけのものではありません。
これから変化していく愛犬に合わせて「今」を大切にしながら、その先の暮らしも少しずつ考えていきましょう。



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