シニア期に入った猫は、食事や運動だけでなく、排泄や体の清潔を保つことにも少しずつサポートが必要になってきます。
トイレの失敗や体の汚れが増えると、飼い主さんは「ちゃんとお世話できていないのでは」と不安になりがちです。
完璧を目指すのではなく、猫の尊厳と快適さを守るための排泄・清潔ケアの考え方を中心にまとめました。
シニア猫に起こりやすい排泄の変化
加齢により、排泄に関して次のような変化が見られることがあります。
・トイレまで間に合わない
・排泄の姿勢を保つのがつらそう
・排泄後に体が汚れやすい
・便秘や下痢を繰り返す
・排泄の回数や量が変わる
これらは「しつけ」や「わがまま」ではなく、体の機能が少しずつ衰えているサインです。
責めたり叱ったりする必要はありません。

排泄トラブルが起きたときの基本的な考え方
失敗を叱らないことが何より大切
トイレの失敗が増えると、つい声を荒げてしまいそうになりますが、シニア猫にとって叱責は強いストレスになります。
・なぜ失敗したのかを考える
・環境でカバーできないかを見直す
・「できないことが増えた」と受け止める
この視点に切り替えることが、猫との信頼関係を守る第一歩です。

トイレ環境を猫の体に合わせる
シニア猫には、若い頃と同じトイレ環境が負担になることがあります。
・段差の低いトイレに替える
・出入り口が広いタイプを選ぶ
・トイレまでの動線を短くする
・夜間も迷わないように明かりをつける
「トイレがあるのに使えない」状態を防ぐことが重要です。

排泄後の清潔ケアの工夫
体が汚れやすくなる理由
シニア猫は、
・毛づくろいの回数が減る
・体をひねる動作がつらくなる
・排泄姿勢が安定しにくい
といった理由から、排泄後にお尻や後ろ足が汚れやすくなります。

無理のない清潔ケアの方法
清潔ケアは「きれいにすること」よりも「負担を減らすこと」を優先しましょう。
・濡らしたガーゼやペット用ウェットシートで拭く
・汚れがひどい部分だけを洗う
・嫌がる場合は一度で終わらせようとしない
全身シャンプーが難しい猫も多いため、部分ケアで十分です。

毛のカットという選択肢
お尻まわりの毛が長いと、排泄物が付着しやすくなります。
・自宅での簡単なカット
・動物病院やトリミングでの部分カット
猫の性格や体調に合わせて、無理のない方法を選びましょう。

便秘・下痢が続く場合の注意点
排泄の状態は健康のバロメーターです。
・2〜3日排便がない
・下痢が数日続く
・排泄時に強くいきむ
このような場合は、早めに動物病院へ相談してください。
特にシニア猫は、放置すると急激に体調を崩すことがあります。

飼い主さんの心が疲れないために
排泄や清潔ケアは、毎日のことだからこそ、飼い主さんの負担も大きくなります。
「また汚してしまった」「ちゃんと見てあげられなかった」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。

ですが、排泄の変化は老化の一部であり、飼い主さんのせいではありません。
できる範囲で整えてあげていること自体が、十分なケアです。
介護に近づく前に意識しておきたいこと
排泄ケアが大変になってきたと感じたら、
・トイレの数を増やす
・防水マットを敷く
・汚れても洗いやすい寝床に替える
といった「環境での負担軽減」を意識しましょう。
猫も飼い主さんも、少し楽になります。

まとめ
シニア猫の排泄・清潔ケアは、完璧を目指すものではありません。
- 失敗を責めない
- 体の変化を受け入れる
- 無理のない方法を選ぶ
この姿勢が、猫にとっても飼い主さんにとっても、穏やかな毎日につながります。
できることを、できる範囲で。
それがシニア猫との暮らしで最も大切な考え方です。



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