しつけの基本|「最初に覚えておきたい習慣づくり」

犬のしつけ・お悩み

安心して暮らすために必要なしつけ

犬との生活をスムーズで幸せなものにするために欠かせないのが「しつけ」です。

しかし、初めて犬を迎えた飼い主さんほど、

「厳しくするべき?やさしくしすぎはダメ?」
「叱らないと覚えない?」

など、正解が分からず迷いがちです。

しつけとは“犬にルールを押しつける行為”ではなく、犬が安心して暮らすための 生活のルールづくり

ここでは、初心者の飼い主さんが最初に知っておくべき「しつけの基本」を丁寧にまとめました。

犬のしつけは「早いうち」「短時間」「楽しく」が鉄則

しつけは迎えたその日から始まる

しつけは、ワクチンが終わっていなくても“家の中でできること”がたくさんあります。

抱っこ、名前を呼ぶ、ケージで休むなど、日常の中で自然に始められるものばかりです。

しつけを後回しにすると、犬は“自分ルール”で行動するようになり、後から修正が難しくなることもあります。

一度に長くやらない

子犬も成犬も、長時間のトレーニングは集中が続きません。

1回 3分~5分程度 がベスト。

毎日短く繰り返すことで学習が定着します。

褒めて伸ばすが基本

犬は「叱られること」より「褒められること」で行動が固定されやすい動物です。

できた瞬間に大げさに褒める、軽くおやつを与えるなど“良いことが起きる”経験をさせてあげると、覚えるスピードが格段に上がります。

まず覚えてほしい3つの基礎

おすわり

しつけの基本中の基本。

犬を落ち着かせたい時・飛びつきを止めたい時・ごはん前の待機など生活のさまざまな場面で役立ちます。

教え方のポイント
  1. おやつを鼻の前に見せる
  2. 頭上へゆっくり上げる(犬は自然と腰を下ろす)
  3. 座った瞬間に褒める+おやつ

これだけでOK。力で押さえつけないことが重要です。

まて

興奮を抑え、事故防止にも役立ちます。

「扉の前で待つ」「道路で待つ」など、実生活で大きな安全効果があります。

教え方のポイント

・最初は1秒待てたら褒める
・1秒→3秒→5秒とゆっくり伸ばす
・失敗させないよう、成功を積み重ねる

おいで(呼び戻し)

逃走防止、危険回避、災害時……どの場面でも役に立つ最重要スキル。

呼ばれて来た=嬉しい!という成功体験をひたすら重ねることが鍵です。

教え方のポイント

・「○○ちゃん、おいで!」と呼ぶ
  →来たら必ず褒める/おやつ/遊びを与える

・叱る時に名前を呼ばないこと
  →”来ると嫌なことが起きる”と学習してしまいます

生活の中で身につけたい しつけの基本習慣

ケージやクレートで落ち着いて過ごす

留守番・移動・災害時など多くの場面で必須となるスキル。

最初は数秒でも扉を閉めて、静かにできたら褒めることから始めましょう。

「閉じ込められた」と思わせず、「落ち着ける場所」だと感じさせるのが大切です。

甘噛みをやめる

子犬期の甘噛みは“歯のむず痒さ”“遊びたい”など自然な行動ですが、放置すると成犬になっても噛み癖が残ってしまいます。

対策

・噛まれたら低く短い声で「痛っ」と伝える
・すぐに遊びを中断(楽しいことが終わると学習する)
・噛んでも良いおもちゃを与えて発散させる

無駄吠えを減らす

「要求吠え」「警戒吠え」「興奮吠え」など理由は様々です。

共通する対策は、

・吠えたら無視
・吠える前に指示を出す
・落ち着いたら褒める

という“ルールの一貫性”です。

飛びつき対策

嬉しくて飛びついているだけでも、人にケガをさせる恐れがあります。

犬が飛びついてきたら背を向ける、落ち着いたら褒める。

この繰り返しで自然と改善します。

叱るときの正しい方法

しつけ=叱るではありません。

しかし、危険行為をした場合には「ダメ」と伝える必要があります。

ただし、叱り方を間違えると、恐怖心だけを与えてしまい、逆効果になることも。

叱る時のルール

・現行犯で、1〜2秒以内に注意
・短く低い声で一言
・長く怒鳴らない
・叩く/大きな音で驚かすのは禁止

叱った後は、落ち着けた瞬間を褒めて終わると「どうすればよいか」が犬に伝わります。

社会化トレーニングは一生の安心につながる

社会化とは「外の刺激に慣れること」。

子犬期(生後2〜4ヶ月)が最も効果的ですが、成犬でも少しずつ慣らすことは可能です。

慣れておきたいもの

・人(老若男女いろいろ)
・他の犬
・音(掃除機、チャイム、車、バイク)
・場所(公園、道路、動物病院)
・触られる経験(耳、足、口の周り、しっぽ)

社会化が十分にできていると、吠えやすさ・噛みつき・怖がりなどの問題行動が大幅に減ります。

“問題行動” の多くは環境と習慣で改善できる

吠える、噛む、落ち着きがない、いたずら……

犬の困った行動のほとんどは、

・運動不足
・刺激不足
・ストレス
・しつけ方法の一貫性欠如
・飼い主の対応が曖昧

などの日常的な要因が原因です。

犬を責めるより、まずは 環境・習慣・飼い主の対応 を見直すことで、ほとんどの問題は自然と落ち着いていきます。

しつけを成功させるための “3つのコツ”

一貫性

家族全員でルールを統一しましょう。

「ソファに乗っていい日とダメな日がある」「人によって反応が違う」

こうした曖昧さが犬を混乱させ、問題行動につながります。

無理強いしない

怖がっているのに無理に慣らそうとすると逆効果。

小さな成功体験を積み重ねる方が、結果的に早く改善します。

楽しむ姿勢

犬は飼い主の感情を敏感に読み取ります。

焦りや怒りが出ると犬も不安になり、うまくいきづらくなります。

「また明日できればOK!」くらいの気楽な気持ちで取り組みましょう。

しつけは“愛犬と理解し合う時間”

しつけは「犬をコントロールする作業」ではありません。

愛犬が安心して暮らせるように導き、お互いが信頼し合える関係を築くための大切なコミュニケーションです。

最初から完璧を目指す必要はありません。

できることを少しずつ積み重ねることで、生活ルールを理解し、飼い主さんの言葉を信頼して行動してくれるようになります。

毎日の小さな成長を楽しみながら、ゆっくり進めていきましょう。

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